政府は30日までに、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直しに入った。電気料金に上乗せされる買い取り負担額が家計に重くのしかかるほか、太陽光発電の導入急増で電力の需給バランスが崩れ、最悪の場合、大規模停電が発生する恐れがあるためだ。九州、東北など電力5社は再生エネの新規受け入れを当面中断すると決断。政府は各社の送電網の現状を調査し、再生エネの受け入れ可能量を見極める。
経済産業省は同日の総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会で、国が6月末時点までに認定した再生エネがすべて発電を始めた場合、買い取り総額が現在の約4倍の2兆7018億円に達するとの試算を示した。
同制度では、再生エネの買い取り費用を電力会社が家庭や企業の電気代に上乗せして回収する仕組み。このため、標準家庭の1カ月当たりの負担額は現在の225円から935円へ膨れあがるという。再生エネの中でも、太陽光は買い取り価格が高いため、企業や個人が相次いで参入。制度開始後は導入量、認定量とも9割以上を占める。