最大手の東京電力が他の電力管内で小売りを開始することで、電力会社の地域独占が崩れ、小規模にとどまっていた供給エリアを越えた電力の販売競争が本格化する。2016年の電力小売り全面自由化を見据え、ガスや石油、通信といった異業種企業の参入も増えるとみられ、競争が激化するのは必至だ。
東電の動きに対抗するように、関西電力や中部電力も供給エリア外の首都圏で営業攻勢をかけ始めている。関電は子会社を通じて4月に首都圏の電力小売りに参入。オフィスビル向けなどで、6月の電力販売量は107万キロワット時に達した。今後も「首都圏での販売量を増やすため営業活動を進める」(関電幹部)方針だ。
中部電も13年10月に三菱商事から新電力(新規事業者)のダイヤモンドパワー(東京都中央区)を買収し、域外での電力小売りを開始した。13年度の電力販売量は前年度比で5%増の約4億キロワット時に上った。