□東京大学先端科学技術研究センター教授・瀬川浩司氏
大量導入が進む太陽電池の現在の主流はシリコンを原料とし、2種の半導体(pn接合)で発電する方式。これに対し、pn接合によらない低コストの有機系太陽電池の研究開発も行われている。色素増感や、有機と無機を組み合わせたハイブリッドタイプなども研究が進んでいる。東京大学の瀬川浩司教授は「この分野は日本の技術がものすごく進んでいる」と強調する。
--色素増感など有機系太陽電池を研究している
「色素増感は酸化チタンを印刷技術で塗布し、光を吸収した色素がチタンに電子を渡して光電気化学反応を起こし発電する方式だ。われわれは内閣府の最先端研究開発支援プログラムに採択され、色素増感と有機薄膜などの研究開発を進めている。色素増感と無機物を組み合わせたペロブスカイトと呼ぶ電池では、光を電気に変える変換効率で最大17.7%を記録し世界的に大きな反響を呼んだ。将来的には20%を超えることも確実だ」