総務省(旧郵政省)は、持ち株会社形態で実質的な一体経営のNTTに対して活動を規制する一方、設備を開放させることで一定の市場競争を確保してきたが、NCCには規制下のNTTでも巨大な壁に変わりない。ソフトバンクがサービス提供に不可欠な加入線などボトルネック設備の分離を求めたのが3年前の「光の道」論議だった。
「光の道」構想は、2015年をめどに光サービスを中心としたブロードバンド(高速大容量)の利用率100%を目指し、そのためにボトルネック設備をどう開放すべきかが焦点となった。現在、光ファイバーの敷設可能世帯こそ9割を超えたものの、サービスの普及率は6割強にとどまっている。最終的に、NTTのボトルネック設備部門は分離せず、「機能分離」という企業内のファイアウオール(情報隔壁)で設備貸し出しの公平性を確保。それらの順守状況を3年後に検証することになっていた。