ソフトバンクの孫正義社長は11日(米国時間)、政府関係者や業界関係者らを招いたワシントンでの講演で、米携帯電話事業者4位のTモバイルUS買収について「米国市場は(AT&Tとベライゾンの)大手2社の寡占状態にある。真の競争が必要だ」と述べ、子会社化した3位のスプリントと統合すれば競争が促進されると持論を展開した。
Tモバイルの買収をめぐっては2011年、AT&Tの買収計画を米司法省が反トラスト法違反として阻止した経緯がある。ソフトバンクは「3位が4位を買収するのは(AT&Tのときとは)違う」(同社関係者)とみていた。しかしソフトバンクの動きに対し、司法省と連邦通信委員会(FCC)は「競争が阻害される」として買収に反対の姿勢を示していた。
孫社長は講演後、「現在の米国は決して世界に誇れるレベルにない」と2社による寡占状態を批判。ソフトバンクが米国での事業規模を拡大できれば、真の競争を持ち込めるといわんばかりに意気込んだ。