勝ち組と負け組 老舗「珈琲の青山」撤退にみる“喫茶店事情” (2/5ページ)

2014.3.22 12:00

閉店した珈琲の青山三宮西口店=神戸市中央区

閉店した珈琲の青山三宮西口店=神戸市中央区【拡大】

  • 喫茶店事業から撤退した青山珈琲の本社=兵庫県尼崎市
  • 閉店した珈琲の青山三宮西口店=神戸市中央区

 同社は喫茶店事業からの撤退について「創業者である社長が高齢になり、自分が生きているうちに店を閉めたいとの意向があった。業績面で他店に押され低迷し、4月から消費税率が上がることもあり、このタイミングで撤退を決めた。今後は不動産業に絞る」と説明。大人向けの高級志向が、安価なコーヒー店が浸透した今の時代に合わなくなったとの見方もある。

 減り続ける喫茶店

 外食産業総合調査研究センターの推計では、平成24年の喫茶店の市場規模は1兆197億円。ピークだった昭和57年(1兆7396億円)の約6割に縮小。喫茶店の事業所数も総務省の統計によると、自家焙煎などの「珈琲専門店」ブームだった昭和56年の15万4630店をピークに減少し続け、24年には4万9298店と3分の1以下にまで落ち込んでいる。

 背景について、兵庫県喫茶飲食生活衛生同業組合の理事長で、神戸市垂水区で喫茶店「リア珈琲」を経営する林靖二さん(61)は「若者はファッション性の高い『スターバックス』や安いコンビニのコーヒーに流れる。ビジネスマンも『ドトールコーヒー』などセルフサービスの店に行く。個人経営店には後継者が不足しており、時代の変化に対応できていなかった」とみる。

客のニーズを受け止める企業努力も大切だ

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。