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【ブラジルW杯】ドイツ優勝 「ノイアーの壁」 立ちはだかる

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【ブラジルW杯】ドイツ優勝 「ノイアーの壁」 立ちはだかる

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【ブラジルW杯】決勝トーナメント_準決勝進出4チーム。※ボスニアはボスニア・ヘルツェゴビナ。FIFA(国際サッカー連盟)の順位は最新ランキング。日時は日本時間=2014年7月  覚悟を決めればためらわない。7月13日、リオデジャネイロで行われたサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会決勝戦。ドイツのGKマヌエル・ノイアー(28)が、大会を通じて見せてきた果敢な飛び出しでアルゼンチンを食い止めた。193センチの守護神は優れた判断力を発揮して無失点。優勝に貢献し最優秀GKに贈られるゴールデン・グローブ賞にも輝き、「信じられない気分だ」と感激に浸った。

 後半12分、イグアインがパスに走り込み守備ラインの裏へ抜けた。ノイアーはペナルティーエリアの左端まで全力疾走し、跳び上がってのパンチングでクリアした。延長後半12分にも、こぼれ球を冷静に懐に収めた。CKの処理も危なげなかった。

 1974年大会の優勝に貢献したマイヤーや2002年大会準優勝の立役者だったカーンら、ドイツは伝統的に優秀なGKを輩出してきた。28歳のノイアーもドイツ王者バイエルン・ミュンヘンで昨年(2013年)欧州制覇を遂げ、世界屈指の名手と評されるようになった。

 苦手なシュートコースがなく、鋭く反応する。長いリーチを生かしたセービング技術も高い。だがそれに満足せず、広範囲への飛び出しで相手の攻めを寸断し、勢いのままに、味方の攻撃にスイッチを入れる。ゴールマウスを空けることには批判もあったが、ケプケGKコーチは「紙一重の局面で正しい判断ができる。チーム全員の信頼を得ている」と問題視しなかった。

 仲間の信頼に最後まで好プレーで応えた。所属クラブの違うフンメルスやヘベデスとも好連係を保って鉄壁の守備を築き「このチームには合宿初日から互いを理解し、協力し合おうという決意があった」と達成感をにじませた。

 ≪統一後初の栄冠 首相も国民も喜び爆発≫

 試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、無数の黒、赤、金3色の国旗がはためいた。7月13日、東西ドイツ統一の象徴であるベルリンのブランデンブルク門周辺に設けられたW杯決勝戦のパブリックビューイング(PV)の会場。25万人以上が詰め掛け、統一後初の栄冠を抱き合って喜んだ。

 延長後半、ドイツがゴールを決めると、会場は地鳴りのような歓声に包まれた。サポーターたちは試合終了と同時に拳を突き上げ、跳び跳ね、喜びを爆発させた。

 看護師のマリア・リヒターさん(59)は西部デュッセルドルフから家族4人で来た。「非常によく統制されたチームだった」と誇らしげに話した。

 リオデジャネイロのマラカナン競技場では13日、無類のサッカー好きで知られるドイツのメルケル首相が応援。劇的な勝利に手をたたいて喜び、興奮した表情を見せた。

 表彰式では、4位に終わった開催国ブラジルのルセフ大統領がドイツ代表のラーム主将に優勝トロフィーを渡したが、無表情のまま。対照的に、メルケル首相は満面の笑みを浮かべ、GKのノイアーら選手一人一人と抱き合い、祝福した。(共同/SANKEI EXPRESS

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