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まねのできない個性ある美しさ フィラデルフィア管弦楽団、ネゼ=セガン 来月来日
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フィラデルフィア管弦楽団を指揮するヤニック・ネゼ=セガン=2013年10月4日。(C)Chris_Lee ビッグ5(ファイブ)といわれるアメリカの5大オーケストラの1つ、名門フィラデルフィア管弦楽団が6月、若き音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンに率いられ4年ぶりに来日公演を行う。ネゼ=セガンは「長い伝統が作り上げてきた美しい『フィラデルフィア・サウンド』はだれにもまねできない」と話す。
フィラデルフィア管弦楽団は1900年に創立された。ストコフスキー、オーマンディらが首席指揮者・音楽監督を務め、華麗な「フィラデルフィア・サウンド」を作り上げた。40年にはストコフスキーの指揮でディズニー映画「ファンタジア」の録音を行っている。しかし、2011年、収入の減少などから米連邦倒産法を申請。米名門オーケストラの破産は大きな話題となったが、再建が進み、見事な復活を遂げた。
「フィラデルフィア管弦楽団の輝かしい伝統、そして楽団を率いた歴代の巨匠たちの偉業を、いつも音楽を通して肌で感じています。音楽を奏でる際の呼吸やフレージング、そして何よりフィラデルフィア管弦楽団にしか生み出せない独特の、他のオーケストラには決してまねのできない個性ある美しいサウンドは、各時代の団員たちが次世代へと脈々と伝えてきました」とネゼ=セガンは話す。
カナダ・モントリオール生まれのネゼ=セガンは、2012年からフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めている。
「音楽監督に指名されたときには、ただただ光栄でした。自分がフィラデルフィア管弦楽団の“未来の歴史”を描くことができるなんて!と心からわくわくしたものです。ことあるごとに語っているエピソードですが、私は幼いころに、オーマンディが指揮するフィラデルフィア管のチャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』の録音を聴いて深い感銘を受けました。あの体験のおかげで現在の私があるといっても過言ではありません」
「悲愴」はネゼ=セガンが08年12月、フィラデルフィア管弦楽団にデビューしたときにも指揮した。来日公演のプログラムにも、モーツァルトの「ジュピター」などとともに入っている。
「『ジュピター』は、フィラデルフィア管の滑らかで、中身の充実した弦楽器セクションのサウンド、そしてアンサンブル全体が生み出す躍動感を堪能していただくに、最適な曲だと思います」
音楽監督を務めるロッテルダム・フィルと08年に初来日、昨年(2013年)2月にもロッテルダム・フィルと来日した。
「ロッテルダム・フィルと再度日本を訪れた際に、仙台で特別コンサートを行い、東日本大震災と津波の犠牲者の方々へ演奏をささげました。その時の会場の様子、演奏は今も記憶にクリアに残っています。今後も日本を定期的に訪れ、復興に向かう日本の皆さまに音楽をお届けできたらと思っています。フィラデルフィア管弦楽団の“今”をお聴きいただける日本公演を楽しみにしていてください」(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄/SANKEI EXPRESS)