ビッグ5(ファイブ)といわれるアメリカの5大オーケストラの1つ、名門フィラデルフィア管弦楽団が6月、若き音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンに率いられ4年ぶりに来日公演を行う。ネゼ=セガンは「長い伝統が作り上げてきた美しい『フィラデルフィア・サウンド』はだれにもまねできない」と話す。
伝統、偉業を感じて
フィラデルフィア管弦楽団は1900年に創立された。ストコフスキー、オーマンディらが首席指揮者・音楽監督を務め、華麗な「フィラデルフィア・サウンド」を作り上げた。40年にはストコフスキーの指揮でディズニー映画「ファンタジア」の録音を行っている。しかし、2011年、収入の減少などから米連邦倒産法を申請。米名門オーケストラの破産は大きな話題となったが、再建が進み、見事な復活を遂げた。
「フィラデルフィア管弦楽団の輝かしい伝統、そして楽団を率いた歴代の巨匠たちの偉業を、いつも音楽を通して肌で感じています。音楽を奏でる際の呼吸やフレージング、そして何よりフィラデルフィア管弦楽団にしか生み出せない独特の、他のオーケストラには決してまねのできない個性ある美しいサウンドは、各時代の団員たちが次世代へと脈々と伝えてきました」とネゼ=セガンは話す。