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ドヴォルザーク「新世界より」ならコレ! 「モーストリー・クラシック3月号」 

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ドヴォルザーク「新世界より」ならコレ! 「モーストリー・クラシック3月号」 

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アントニン・ドヴォルザーク(1841~1904年)。交響曲第9番「新世界より」は、ドヴォルザークが“新世界”アメリカ・ニューヨークのナショナル音楽院院長を務めていた1893年に作曲された(提供写真)  ≪名曲名盤名演奏家対決(交響曲・管弦楽曲編)≫

 自分の好きな作品を違う指揮者、異なるオーケストラの演奏で聴いてみたい、と同じ曲のCDを何枚も買ってしまうのがクラシックファンの“悲しい性(さが)”。そんなファンの期待に応えるべく、モーストリー・クラシック3月号は「名曲名盤名演奏家対決(交響曲・管弦楽曲編)」を特集している。

 ブラザー工業取締役常務執行役員の長谷川友之氏は大のクラシック好き。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」は、CD、DVD合わせて168枚も所有している。その中でも一番のお薦めはフリッツ・ライナーが指揮してシカゴ交響楽団が1957年に録音したもの。

 長谷川氏は「今から37年前、アメリカで1カ月間、大学の寮に入ることになったとき、何を持っていくか悩んだ末に決めたのがこの盤でした。ハンガリー出身で異郷の地アメリカの交響楽団を指揮し、数々の素晴らしい演奏をRCAに残したライナーには、祖国を遠く離れたアメリカで『新世界より』を作曲したドヴォルザークに通じるものがあります」という。

 雑誌の特集では「新世界より」は、やはりハンガリー生まれのイシュトヴァン・ケルテスとチェコ出身のバーツラフ・ノイマンという2人の指揮者を“対決”させ、聴き比べをしている。ケルテスが指揮したのはウィーン・フィル。ノイマンはチェコ・フィルで、いずれもかねてより名盤の誉れが高い。

 音楽評論家の佐伯茂樹氏は、「当時32歳だったケルテスのデッカデビュー録音であり、その意気込みがひしひしと伝わってくる熱演だ。ノイマンは、作品そのものが持つ魅力や歌心に身を任せる」と評する。

 「第九」巨匠対決

 このほか、ベートーヴェンの「第九」は、フルトヴェングラー対トスカニーニという大マエストロ、アバド対ラトルというベルリン・フィル新旧芸術監督のCDを聴き比べ。ブラームスの「交響曲第1番」はミュンシュ、ベーム、カラヤン、ヤンソンスの4人の名盤を取り上げている。

 ところで、「永遠の0(ゼロ)」が400万部の大ベストセラーになった作家、百田尚樹氏も、所蔵するCDやDVDなどが2万枚を超えるクラシックファン。昨年(2013年)、クラシックに関するエッセーをまとめた「至高の音楽 クラシック 永遠の名曲」を出版している。

 百田氏がインタビューで真っ先にあげた指揮者はフルトヴェングラー。「フルトヴェングラーは他の指揮者と比較になりません。再現芸術家として後にも先にもレベルが違う。すごさが隔絶しています。何でこんな人が生まれたのだろうと想像がつきません」と絶賛した。(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄/SANKEI EXPRESS

 ■アントニン・ドヴォルザーク(1841~1904年) 交響曲第9番「新世界より」は、ドヴォルザークが“新世界”アメリカ・ニューヨークのナショナル音楽院院長を務めていた1893年に作曲された。

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