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ラテン系女子のパワフルな世界 シャキーラ、アナ・ティジュ
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コロンビア出身のシンガー・ソングライター、シャキーラ(提供写真) 女が強い。というのはどこの国でも一緒だが、とくにラテン系女子は半端なくパワフルだ。マチスモと呼ばれる男性優位主義が当たり前の文化だったというのに、近年は政治や経済界における女性の活躍ぶりが目覚ましい。音楽シーンにおいても例外ではなく、男をタジタジにしてしまうアーティストが、続々と世界を股に掛けて活躍している。おまけに、彼女たちは内面だけでなく、そのルックスも女性として非常に魅力的なのだ。
そんな美しく強い女の代名詞といえば、やっぱりシャキーラ。14歳の初々しい少女の時にデビューしたが、作品を重ねるごとに中東の血が混じったコロンビア人というメスティーソならではの美貌に磨きがかかり、今ではラテン圏のみならず全世界のセックスシンボルとしても定着。自身が作る詞曲で常に勝負してきただけあって、音楽的才能も申し分ない。FCバルセロナのジェラール・ピケとの結婚出産が話題になったが、そういったプライベートの充実ぶりを反映した新作「シャキーラ」は彼女の最高傑作。リアーナとのデュエットから始まり、ハードなロックからフォーキーなナンバーまで歌いこなす声の強さは、間違いなくラテン女子の頂点といえる。
一方、かなりマッチョなイメージの強いヒップホップ界でも、ラテン女子は大活躍している。なかでも昨今話題なのが、チリ出身のアナ・ティジュだ。チリは軍事政権やクーデターなど、政情不安の時期が長かった国だけに、ポリティカルなメッセージのロックやラップが盛ん。活動家の両親がフランスに亡命していたということも影響してか、彼女も非常にメッセージ性の強い音楽を作り続けている。南米大陸ならではのフォルクローレサウンドをベースに、アグレッシブなライムを繰り出すスタイルはなかなか刺激的。最新作の「ベンゴ」は、長らく虐げられてきた先住民のマプーチェ族やメキシコの革命戦士などをアイコンにしたブックレットも美しく、音と言葉、そしてビジュアルも含めたトータルアートとしてもレベルが高い。グラミー賞にノミネートされたり、レディオヘッドのトム・ヨークが絶賛するなど、世界的なブレークを予感させる期待のアーティストだ。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)