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初笑いはオキナワン・ポップス きいやま商店、ポニーテールリボンズ

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初笑いはオキナワン・ポップス きいやま商店、ポニーテールリボンズ

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石垣島(沖縄県石垣市)出身の3人組バンド、きいやま商店(提供写真)  新しい一年の始まり。今回は新年らしく、景気のいい音楽を紹介したい。いずれも沖縄発のユニークなグループだ。もともと沖縄は、喜納昌吉&チャンプルーズの「ハイサイおじさん」などコミカルな音楽が生まれる土壌はあった。ここ数年はその流れをくむ南国らしい陽気なテイストのアーティストが増えている。ここではローカルだけでなく全国展開で人気急上昇の2組に注目したい。

 コミカルで多彩

 まずは、石垣島出身の3人組バンド、きいやま商店。リョーサ、だいちゃん、マストというメンバーは、なんと兄弟といとこという血縁関係であり、奇妙なバンド名も彼らの祖母が営む店から取ったというもの。そもそも企画モノとしてスタートし、実在の親族を歌った曲など内輪ネタも多い。しかし、ロックンロール、ファンク、ワールドミュージックから沖縄民謡まで取り込んだ多彩な音楽性と、「目標はドリフターズ」と言い切るコミカルなパフォーマンスが口コミで広がり、テレビCMにも登場するなど沖縄県内では圧倒的な人気を誇っている。

 また、昨年(2013年)はNHK「みんなのうた」で「カチャーシ☆ブギ」が取り上げられ、歌人の俵万智(たわら・まち)が作詞した「がんば」や、同郷の先輩バンドBEGINと共演した新石垣島空港のPR曲「おかえり南ぬ島」などを収録したアルバム「ダックァーセ!」もロングセラー中。もはや全国区でブレーク必至のバンドといえるだろう。

 ディープな音楽性

 もう1組注目したいのは、ポニーテールリボンズ。こちらはポカ=ユイチンとリトル=コフスキーという謎の2人組だ。もともとインディーズシーンで人気のフロントマンだったメンバーが、お遊びで始めた打ち込みユニットが発展し、2010年にCDとライブDVDの「濃ピンク濃ライフ」をリリースして本格的にデビュー。バカバカしい内容の歌詞とサングラスにホットパンツという異様なファッションで踊る強烈なパフォーマンスが話題となるが、テクノやハードコアから三線の響きやカチャーシーまで取り入れたディープな音楽性は侮れない。完全に2人だけで取り組んだ新作「ベリーグッド」もシニカルな笑いに包まれた力作。現在、全国区でライブ展開も行い、話題沸騰中の彼らにも期待したい。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS

 ■きいやま商店 リョーサ、だいちゃん、マストという兄弟&いとこによって石垣島で結成された3人組バンド。ライブで徐々に話題になり、2010年にアルバム「さよならの夏」でデビュー。最新作はBEGINや俵万智との共演曲を含むアルバム「ダックァーセ!」。

 ■ポニーテールリボンズ ポカ=ユイチンとリトル=コフスキーによる2人組ユニット。2004年に結成し、10年にアルバムとDVD「濃ピンク濃ライフ」でデビュー。最新作は「ベリーグッド」。凝った打ち込みサウンドとインパクトのあるパフォーマンスで人気を呼ぶ。

 ■くりもと・ひとし 音楽&旅ライター、選曲家、ビルボードライブ企画プランナー。2年間の中南米放浪の経験を生かし、多彩なジャンルで活動中。情報サイト、All Aboutでアルゼンチンのガイドを担当。最新著書は「アルゼンチン音楽手帖」。

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