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キッズのおしゃれ心くすぐる鮮やかな色彩 BONTON 海外初の旗艦店

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キッズのおしゃれ心くすぐる鮮やかな色彩 BONTON 海外初の旗艦店

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ベビーカーでも通りやすい広い通路、柱に大きく書かれた年齢の数字。心遣いが行き届いたボントンの店内=2014年3月6日、東京都渋谷区(提供写真)  【Fashion Addict】

 フランスの子供向けブランド「BONTON(ボントン)」が3月8日、東京・代官山に海外初の旗艦店をオープンした。ベーシックでありながらトレンド感のあるデザインで、セレブリティーの子女にも愛されている。オープンしたての店内をのぞくと、キッズのおしゃれ心をくすぐるアイテムの数々とともに、子供たちの無邪気な笑顔があった。

 ボントンは2001年、フランスのラグジュアリー子供服ブランド「Bonpoint(ボンポワン)」創業者を両親に持つトマ・コーエンさん(40)と、妻でデザイナーのイレーヌさん(38)が「今までにない、子供向けにライフスタイルを提案するコンセプトショップを」と創設した。

 日常着でありながら、良質な綿100%の素材にこだわり、洗練されたデザインの小さなシャツやスカートは、たちまちおしゃれなセレブの間で評判になり、ステラ・マッカートニーさんやビクトリア・ベッカムさんらも、わが子のワードローブに加えているという。

 美的感覚を養う

 海外初出店となった東京・代官山のショップは、真っ白な壁と高い天井で開放的なムード。店内に入り、まず驚くのは棚に掛かった洋服が織りなす色彩の豊かさだ。

 「ボントンはフランス語できれいな色、とか、センスがいい、という意味なんです」とイレーヌさん。その名の通り、ボントンではシーズンごとに20色のテーマカラーを決め、同じ型のドレスやパンツでも、色味豊富にそろえる。フランスのショップではオレンジを人気飲料の名にちなみ「オレンジーナ」と呼ぶなど、言葉遊びを楽しむように色に愛称をつけている。

 好奇心をくすぐるボントンの試みは、ほかにもある。今後、店舗内でアーティストらによる工作などのワークショップも催す。4月には、ぬいぐるみ作家の金森美也子さんと一緒に小学生の親子が靴下人形を作るイベントも予定している。イレーヌさんは、「子供たちが楽しく遊べて、美的感覚を養えるような機会を提案していきたい」との思いを語る。

 お絵かき絵本コーナー

 また、ショップの一角にあるカフェの壁には大きな塗り絵のポスターが貼られ、備え付けのペンで好きなように色を塗って遊べる。大きな窓から光が注ぐ席では、コーヒー(レギュラー、エスプレッソ、ラテ)、紅茶(各250円)、ミネラル水、ジュース(各200円)などが楽しめるし、本棚に並ぶ絵本は自由に手に取り読むことができる。「買い物に飽きてしまった子供たちが、楽しい時間を過ごせるようにと思って」(トマさん)。トマ&イレーヌ夫妻が顧客(=子供)に注ぐまなざしの温かさが伝わってくる。

 こうして親や子のニーズを巧みにとらえるのは、夫妻に13歳の長男を筆頭に3人の子がいることも関係しそうだ。「11歳の長女リューンは思春期。ネイルに凝っていて、彼女からマニキュアの自動販売機があると聞いて、パリの店に置いてみました。スタッフの子供たちの情報もインスピレーションの源になっています」とイレーヌさん。ボントンのトレンド発信力の裏には、小さなアドバイザーたちの活躍もあったのだ。

 イレーヌさんに今季注目のモチーフやカラーを聞くと、カラーはブルーとオレンジ、モチーフでは、レオパード柄と、インド風の刺繍やプリント柄を挙げた。

 「レオパードは色を優しく、子供らしい雰囲気にアレンジしているんですよ」。個性的なレオパード柄も、ボントンでなら、品がよく、かれんな雰囲気のワンピースやシャツになる。トレンドを押さえてはいるものの、飽きがこないベーシックなスタイルを守るのは、「子供はすぐ成長するけれど、兄弟や親戚へと、ボントンの洋服を引き継いでいってほしい」という思いがあるから。良質な素材にこだわるのも「何度洗濯しても大丈夫なように」とイレーヌさん。

 ボントンには、パリのママンの愛と知恵がぎゅっと詰まっていた。(津川綾子/SANKEI EXPRESS

BONTON

東京都渋谷区鉢山町13の16 (電)03・3461・2788。午前10時30分~午後7時30分、不定休

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