日常の洗濯を楽しく－。そんな願いから、約１０年前に米ニューヨークで誕生したファブリックケア専門のブランド「ＴＨＥ　ＬＡＵＮＤＲＥＳＳ（ザ・ランドレス）」。衣類を自分の手でケアすることをテーマに、心地よい香りや環境に配慮した成分にこだわっているのが特徴だ。また、インテリアにもなりそうなスタイリッシュなデザインも人気の秘密。高価なおしゃれ着も、ケアが不十分では台無し。セルフケアの習慣を身につけて、“清潔な着こなし”を心掛けたい。

　ザ・ランドレスは２００４年、大手ブランドのバイヤーなどとして活躍していた２人の女性が「ファッションを愛する人のためのファブリックケアブランドを」との思いから立ち上げた。日常的に使える洗剤や柔軟剤をはじめ、シミ抜きや消臭スプレー、しわ取りスプレー、アロマキャンドルにいたるまでさまざまな商品が登場している。

　天然の優しい香り

　大きな特徴の一つに、嫌みのない優しい香りがある。ＰＲを担当する榧木（かやき）美穂さんによれば、エッセンシャルオイル（精油）を使って香りを調合しているため、高級な香水のようなふんわりとした香りがする。「最近は香りの強い洗剤や柔軟剤がたくさん出ていますが、反対にその香りが気になる方も多いようです。ザ・ランドレスの商品はブームとは逆に、着た瞬間、その人だけふわっと感じる程度の優しい香りが特徴です」

　ブランドを代表する商品は、植物由来の原料を使用した洗剤のシリーズ。日常的な洗濯に使えるベーシックな洗剤のほか、「白い衣類用洗剤」「デニム用洗剤」「スポーツ衣類用洗剤」「ベビー衣類用洗剤」など、洗う服の素材や用途に沿った専門的な商品も登場。それぞれの素材が持つ良さを引き出すように考えられ、開発されている。

　例えば、セーターやマフラーを自宅で洗うことができる「ウール＆カシミア用洗剤」。このシーズンには欠かせない１本だが、しっかりと汚れを落としつつ編み糸の天然成分も保護してくれるのが強みだ。榧木さんによれば、最近はファストファッションの普及でカシミヤなど高品質の衣類が手ごろな価格で買えるようになり、「安い衣類をクリーニングに出すのに抵抗がある」という人が増えているという。「ザ・ランドレスの洗剤は量販店で販売される商品に比べれば高価ですが、クリーニング店に出すことを考えればずっと経済的です。服の代金に比べて割高のクリーニング代に抵抗のある方も多いようで、ご自宅でおしゃれ着を洗う方は増えていますよ」

　また、柔軟剤「ファブリックコンディショナー」のシリーズもリピーターの多い商品。牛脂を使う一般的な柔軟剤とは違い、植物由来のなたね油を使っているため、衣類の表面がとてもなめらかに仕上がる。静電気の予防にもなるので、花粉が気になるこれからの季節は重宝しそう。

　ギフトにも喜ばれそうなのは、消臭スプレー「ファブリックフレッシュ」のシリーズ。抗菌・消臭効果があり、大切な衣類にスプレーすれば洗う回数を抑えることができる。持ち歩きに便利な６０ミリリットルサイズなら、飛行機内に持ち込むことも可能。フライト後にさっとスプレーすれば、気になるにおいを抑えつつ気分もリフレッシュできる。

　ハイセンスでエコロジーな洗剤

　ザ・ランドレスを立ち上げたのは、シャネルのセールスマネジャーなどとして活躍したリンジー・ウイーバーさんと、ラルフローレンでシニアデザイナーなどを務めたグウェン・ホワイティングさんの２人。高品質な衣類に関する知識と経験をもとに、３年間の研究・開発を経てブランドを立ち上げた。

　２人がこだわったのは、ハイセンスでかつエコロジーな洗剤だ。塩素系漂白成分や硫酸、リンなどは配合せず、酵素をふんだんに配合することで汚れの原因になる物質を分解する。動物実験は行わず、分解されて自然にかえる原料を使っている。人工の香料を避け、エッセンシャルオイルを調合しているのも大きな特徴だ。“洗濯を楽しいものに”という発想なども大きな話題を呼び、ファッション関係者らを中心にファンを増やしていった。

　白と黒を基調にしたスタイリッシュでシンプルなデザインも、多くの人の心をつかんだ。今では洗剤のほか、アロマキャンドルやランドリーバッグ、引き出しなどに入れると香る「ドロワーシート」なども登場。インテリアとして楽しんでいる人も多いという。

　ファッションを愛する気持ちから誕生した、ファブリックケア専用のブランド。おしゃれに気を使う人なら、新しい洗濯習慣で見えないところにも徹底的にこだわってみては。（今泉有美子／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ　（動画））

ＴＨＥ　ＬＡＵＮＤＲＥＳＳ（ザ・ランドレス）

東京都新宿区新宿３の３８の２　新宿ルミネ２。営業時間：午前１１時～午後１０時。（電）０３・６３８０・１８９０

問い合わせ先

アントレックス　（電）０３・５３６８・２０４２