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上品、モダン 優しく包む軽量ダウンコート HERNO

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上品、モダン 優しく包む軽量ダウンコート HERNO

更新

松屋銀座にオープンした、ヘルノとセレクトのアイテムを扱うショップ「ディ_クラッセ_ピュウ」。右端のロングタイプはヘルノのダウンコートの定番(12万3900円)  【Fashion Addict】

 体を優しく包み込むような暖かさと、なにも着ていないかのような軽さ-。2008年のデビュー以来、瞬く間に世界中の女性をとりこにしたイタリア「HERNO(ヘルノ)」のダウンコート。ヘルノ社は、1948年にイタリア北部で創設された老舗コートメゾンだが、ダウンコートの誕生でその名を世界中に広めた。人気の秘密は、ブランドの誕生以来守られてきたクラフツマンシップに加え、イタリアならではの洗練されたモダンなデザインにあるようだ。

 最高級素材と独自製法

 イタリアの北部、スイスアルプスの南側に位置するマジョーレ湖。冬の寒さが厳しく、避暑地としても人気のある美しいこの地域で、ヘルノのダウンコートは作られている。

 長さやデザイン、色のバリエーションが豊富なヘルノのダウンコートだが、共通しているのはその驚異的な軽さだ。空気をまとっているかのような暖かさと独特の感触は、実際に袖を通してみたときに初めて実感できる。しかし、その軽さと保温力の秘密はどこにあるのか。

 理由は大きく2つ、1つ目は産地から品質にまで徹底的にこだわった素材だ。使われる羽毛は、最高級のルーマニア産のものだけを使用。そして約95%は水鳥のダウン(胸毛)部分を使い、残りの5%はフェザー(羽)を使っている。この混合率も、何度も試行錯誤を重ねて決められているという。

 そしてもう一つは、最高級のダウンを直接布地に注入する独特の製法にある。一般的なダウンコートは、羽毛を詰めた「ダウンパッド」を注入して作られるが、ヘルノのダウンコートはダウンパッドを使用しない。高度な職人の技を必要とする製法で、ヘルノのPRを担当する西田徳子さんによれば、ダウンパッドを使わないことでより軽量なコートに仕上がるという。「繊細で緻密な作業は、長年にわたってクラフツマンシップを大切にしてきたヘルノだからこそ実現できたことです。ナイロン素材にもこだわり、羽毛がコートから出てこないのも特徴です」

 定番のほか新デザインも注目

 そうして品質を保持しながら、老舗メゾンならではの上品でモダンなデザインも多くの女性から支持を集める理由の一つ。おなじみのショート、ロングのスタンダードなデザインのほか、この冬はウールを取り入れて異素材とミックスさせたデザインも登場。また、コットン素材を使ったものや首回りにファーをあしらったものなどもあり、ファッションの観点からも注目を集めている。

 完全防水の先駆け

 ヘルノは1948年、マジョーレ湖のほとりにある人口数千人の村「レーザー」でレインコートブランドとして誕生。近くに流れる美しい川「ERNO(エルノ)」に「H」を足して、社名をヘルノとした。

 ウオータープルーフ素材を見かけることすらなかったその時代に、創業者のジュゼッペ・マレンツィ氏はひまし油を使うことで完全防水されたレインコートの開発に成功。その後もウールコートやスーツなどを発表し、50年代後半にはその名を少しずつ海外にも広めた。

 ブランドの拡大とともに技術力を支える職人の育成にも力を注ぎ、デザイン性とモダニティーの両方を確立させた高級メゾンとして広く知られるように。日本でも60年代後半ごろから扱われるようになり、最高品質のウールコートブランドとして知られ、富裕層を中心に根強いファンを増やした。

 伝統に新しい息吹

 そんなヘルノにとって最大の転機となったのが2007年、ジュゼッペ氏の息子であるクラウディオ氏のCEO(最高経営責任者)就任だ。クラウディオ氏はそれまで培った技術を最大限生かし、ナイロンを使った軽量のダウンコートを開発した。

 職人の技術と斬新なアイデアが結実したダウンコートは、発表とともに世界中の雑誌などで紹介され、人気はドイツやフランス、北米、そして日本にも広がった。デザインも初年度の2型から、今シーズンは30型以上へと増えている。

 65年にわたって育まれてきた伝統と、新たな経営者が吹き込んだモダニティ。そうして誕生したダウンコートは、この冬も世界中の女性に上質な暖かさを届けている。(今泉有美子/SANKEI EXPRESS

ヘルノ青山店

東京都港区南青山5の4の48 Gビル南青山01 1階 (電)03・6427・2480

ディ クラッセ ピュウ

東京都中央区銀座3の6の1 松屋銀座 4階 (電)03・6228・6988

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