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アーティスティックな華やかさ Mercedes-Benz FashionWeek Tokyo

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アーティスティックな華やかさ Mercedes-Benz FashionWeek Tokyo

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 【Fashion Addict】

 東京を舞台にしたファッションの祭典「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京」が、10月14日から6日間にわたって開催された。目玉は東京・渋谷の複合施設「渋谷ヒカリエ」などを主会場に、37ブランドが最新コレクションを発表する「東京コレクション」。華やかなショーでオープニングを飾ったのは、創業60周年を迎えたイタリアの老舗ブランド「MISSONI(ミッソーニ)」。松屋銀座の東京生活研究所ファッションディレクター、関本美弥子さんに最新ファッションの傾向を聞きつつ、今シーズンの東京コレクションを振り返った。

 正統派のイメージ一新

 豊かな色彩でファッション界に革命を起こし、世界中に多くのファンを持つミッソーニ。ショーは、9月のミラノコレクションでも披露した2014年春夏のウィメンズにメンズを加えた形で披露された。印象的だったのは、これまでのミッソーニらしいストライプ柄が息を潜め、幾何学模様のプリントやオリエンタルな雰囲気をミックスしたドレスが提案された点だ。

 関本さんは「今までとは違った新しいアプローチがあった」と振り返る。「これまでのミッソーニになかった柄を取り入れるなど、正統派のイメージを崩してアートを感じさせるコレクションが印象的でした」

 関本さんによれば、今シーズンはパリ、ニューヨーク、ミラノなどほかの都市のコレクションでも、多くのブランドがこれまでの謙虚でクリーンなイメージを壊した。装飾性を際立たせながら、アートの感覚も取り入れたコレクションが印象的だったという。

 「シャネルやプラダなど、ショー会場にアートピースを展示して、服にもその要素を取り入れていたブランドも。ミッソーニにもアーティスティックな要素がありましたし、東京コレクション全体にもそうした傾向が表れていました」

 繊細さと遊び心

 2日目の15日は、2002年に誕生した東京を代表するブランド「DRESSCAMP(ドレスキャンプ)」がコレクションを発表。今回は、ドレスキャンプが得意とするプリント素材を駆使した色彩表現が光った。フェミニンで装飾的なシルエットに、ストライプやバナナなどのモチーフを取り入れて独特の世界観を表現。クチュールテクニックをふんだんに盛り込みつつ、遊び心も忘れない繊細なドレスが目を引いた。

 メンズでは、男性のリアルクローズを追求し続ける「ato(アトウ)」のコレクションが3日目に登場。今回のコレクションでは、男性服の基本であり、またアトウが得意としてきた色でもある「ネイビー」と「グレー」に改めて着目。シンプルな色をベースに、ところどころネオンカラーのラインで差し色を加えて動きを出した。

 細部にまでこだわり

 東京コレクションの後半には、4人の若手デザイナーが手がける人気ブランド「BEAUTIFUL PEOPLE(ビューティフル ピープル)」が、東京・代々木の複合施設「代々木VILLAGE」でショーを行った。施設内の庭をランウェーに見立て、メンズとウィメンズのモデルが複数人で登場する演出も注目が集まった。

 今回のテーマは「The beautiful people」。多くの人に注目され、憧れられる人をコレクションのキャラクター像に据えた。

 1960年代から70年代初頭の雰囲気をイメージして作ったというコレクションは、メンズライクのダブルスーツをフェミニンな雰囲気に仕上げるなど今シーズンらしさを感じさせていた。

 東京コレクションの終盤を飾ったのは、デザイナーの石黒望氏が手がける2つのブランド「NOZOMI ISHIGURO Haute Couture(ノゾミ イシグロ オートクチュール)」「NOZOMI ISHIGURO tambourine(ノゾミ イシグロ タンバリン)」。2ブランドが同時に登場する形でショーが行われた。

 タンバリンからは、ピンクや白地に黒でペイントしたスエットのセットアップなどが登場。東京カルチャーを思わせるプリントTシャツなどを重ね着して、石黒氏ならではのカジュアルスタイルを提案した。また、オートクチュールからハートと星条旗をモチーフにしたトップスやドレスを発表。立体的なハートを全面に付けたり、アシンメトリーなドレスに星条旗をプリントしたり、自由でアーティスティックなスタイルが目を引いた。

 関本さんは今回の東京コレクションについて、「クリエーションのレベルが、全体的に上がっていたと思います」と評価。「細部までこだわったフォルムも、今シーズンの特徴といえるでしょう。どのブランドも“今までと同じではつまらない”という思いでデザインと向き合ったのだと思います」と結んだ。(今泉有美子/SANKEI EXPRESS

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