【受動喫煙防止の波紋】(下)ホテル業界、助成拡充など要望も今後の方向性示されず (2/3ページ)

2016.12.16 06:12

 また、各ホテルは昨年5月の厚労省の通達に従って喫煙室などを整備しているが、「今回のヒアリングでは喫煙室要件が明示されていなかった。現在の技術的基準が変更、あるいは強化されるのは困る」(同協会幹部)。喫煙室の設置についても、資本金5000万円以下で従業員100人以下のホテルに対して200万円を上限に設置費用の2分の1を助成するとしているが、「規制を強化するのであれば、助成の拡充を図りすべての事業者に適用してほしい」と要望した。

 「日本型」の可能性

 ヒアリングではこのほか、従業員の受動喫煙も俎上(そじょう)にのぼった。宴会場での受動喫煙が問題視されたホテル業界は「20室以下が4割という状況で、新たに喫煙室を設置するというのは困難だ」(同ホテル協会)と説明。傘下従業員を約700万人抱える全国生活衛生同業組合中央会は「経営者と従業員が話し合ってどういう環境をつくっていくか真剣に取り組んでいく。今後、十分な周知期間を設け、いろんな形で意見を聞く時間を与えてほしい」と話した。

「日本型の完全分煙」を提案

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