政府が2017年度に、消費税増税分の取引価格への上乗せ拒否といった大企業の下請けいじめを取り締まる「転嫁対策調査官(転嫁Gメン)」の態勢を縮小することが分かった。消費税率10%への増税を17年4月から19年10月へ2年半延期することに伴い、現在の約630人から数十人減らし、他の業務に予算と人員を振り向ける。
Gメンは14年4月の税率8%への増税を前に施行した転嫁対策特別措置法に基づいて創設された。元銀行員や税理士らを非常勤の国家公務員として受け入れ、中小企業庁や全国の経済産業局などに配置。現在は中小企業庁が474人、公正取引委員会が154人をそれぞれ採用している。
消費税分の不払いや買いたたきがないか監視、指導し、悪質な事案は公取委が是正措置を勧告している。制度が始まった13年10月以降の3年間で指導が3025件、是正勧告は35件あったが、税率10%への増税が延期されることもあり、最近は減少傾向という。
政府は態勢縮小に加え、引き続き活動するGメンについても転嫁対策だけでなく中小企業の経営相談に応じるなど業務範囲を広げたい考えだ。