被災地、観光業復興へ正念場 訪日客回帰も風評被害などが重荷 (3/5ページ)

2016.3.11 07:20

日本三景の一つ、松島では観光客数の回復が進む=3月上旬、宮城県松島町

日本三景の一つ、松島では観光客数の回復が進む=3月上旬、宮城県松島町【拡大】

  • 松島ではカキ料理などの「食」を目玉にした観光客誘致が進む=3月上旬、宮城県松島町
  • 昨年7月に開業した体験型宿泊施設「MORIUMIUS」。漁業体験や野菜収穫などを通して子供たちの感性を育む=宮城県石巻市雄勝町(提供写真)

 復興が進むにつれ、東北の観光産業が抱える構造的な課題も見えてきた。

 「素材は多いが商品がない」。東洋大の島川崇准教授(国際観光学)は東北の観光地をこう評する。豊富な食材や手つかずの自然に恵まれながら、観光客向けの仕立てでなく、観光客1人当たりの旅行単価は国内最低。主要空港の路線数の少なさも重なって認知度も低迷している。日本政策投資銀行の調査では「行ってみたい観光地」に「東北」を挙げたアジア8地域の外国人は2.6%にとどまる。

 政府は16年度の観光関連の復興予算を前年の10倍に拡充するほか、地域の魅力づくりを後押しする。だが、2月の有識者会議で示された各県の戦略はばらばらで、会議では「もっと連携できないのか」などと苦言が呈された。

 廃校を宿泊施設に

 こうした中、東北ならではの「素材」を生かした取り組みも始まる。

 宮城県石巻市雄勝町。廃校となった旧桑浜小学校に昨夏、子供たちの歓声が響いた。豊かな里山や海を舞台に自然な暮らしを体験する宿泊施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」。子供が自炊し、魚釣りや野菜収穫、間伐材の伐採などを体験しながら約1週間を過ごす。滞在中は親とは会わず、全国から集まった仲間たちで話し合い、1日の過ごし方を決める。

キッザニア時代から雄勝とかかわり、被災した子供たち向けの学習支援などを企画していた折…

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