【日曜経済講座】 論説委員・井伊重之
「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」の埼玉県部分が先月末に開通した。これによって東名高速道路と東北、関越、中央の各自動車道が圏央道経由で初めて結ばれた。首都圏における環状道路の整備が進展したことで、東名と東北道間の走行時間が大幅に短縮されたのに加え、都心部の渋滞緩和につながる。さらに物流や観光などでも活性化が期待されている。インフラ整備で継続的に経済効果を生み出す「ストック効果」が発揮されそうだ。
「経済効果や観光、農業などあらゆる部分で新しい時代が開かれる。まさに歴史的な日だ」
10月31日の開通式典で、埼玉県の上田清司知事は圏央道の果たす役割を強調した。この日午後、圏央道の桶川北本インターチェンジ(IC)-白岡菖蒲IC間の約11キロが完成し、埼玉県内の工事区間が全線開通した。
都心部から半径40~60キロを走る圏央道は、今回の開通で総延長300キロのうち、8割が通行できるようになった。東名から東北道までの走行時間は首都高速道路経由で約130分かかっていたが、これが75分に短縮される。