一方で、首相が増税先送りの条件として「世界経済の収縮」を挙げ、1日には世界経済の問題を議論する新たな会議「国際金融経済分析会合」の設置を表明したことから、先送りの地ならしを始めたと見る向きもある。
自民党中堅議員は「首相の悲願である憲法改正に必要な衆参3分の2以上を改憲勢力で得るには同日選がベスト。増税延期は大義になる」と指摘する。
選挙態勢の整備が途上の民主党内にも「経済問題を追及しすぎて、結果として首相に同日選の格好の材料を提供するのも痛しかゆしだ」(党閣僚経験者)との声もある。
首相は慎重に情勢を見極めるとみられる。自民党の二階俊博総務会長は3日の二階派総会で、所属議員を前に思わせぶりにこう語った。「参院選を一生懸命やることが自分にとっても大事。その後は記者もいるので(言わない)。心の中にはあるが」(沢田大典)