再来年の消費税10%引き上げ時に導入される、8%の軽減税率の対象が「酒類と外食を除く飲食料品全般」と与党間で合意された。消費者や商店側は歓迎の声を上げるが、合意はあくまで大枠。大阪名物のたこ焼きやハンバーガーなど、店内でも店外でも食べられる品が軽減対象になるかどうかなど、実際の細かな線引きは国が今後決めることになる。庶民生活への具体的影響は、未知数だ。
「認識が違えば」
生鮮品や総菜店、飲食店などが集まる「なにわの台所」、黒門市場(大阪市中央区)。買い物中の近くの無職、吉田博子さん(66)は「8%時は想像以上に家計に響いており、さらに2%は大きい。毎日のことなので食品全般が対象になるのはありがたい」とほっとした様子で話す。店側も「売り上げへの影響も少ないだろう」(豆腐店従業員)と胸をなで下ろす。
ただ、実際の導入時を想定した不安の声も上がる。
煮物やあえ物などを扱う総菜店「石橋食品」の石橋大輔さん(40)は「こちらが8%だと思っていて、納税時に税務署から『10%』と言われたら大変。お客さんと認識の違いがあれば、店頭で混乱するだろう」と心配は尽きない。「ルールは分かりやすい、はっきりしたものにして周知してほしい」と注文を付ける。