「国際化」を選んだシンポジウム ブルーゾーン的なスピリットがある (1/3ページ)

2015.12.6 06:00

 「国際化とは違った言語と文化に寛容になるところからはじまる」

 ミラノの大学の「国際化」の専門家が、サルデーニャ島で行われたシンポジウムで説明した。シンポジウムのテーマは「国際化」だ。

 

 イタリア半島の真ん中あたりの西に浮かぶのがサルデーニャ島だ。フランスのコルシカ島の南に位置する。北のサッサリ、西のオリスターノ、南にはカリアリがある。しかし東は孤立した地域である。

 この東を「国際化」するためのシンポジウムが東のオリアストラで開催されたのだ。主催は州政府の観光局と地域の経済連合会だ。ミラノやローマのジャーナリストや大学の研究者が集まった。ぼくもパネラーの一人として参加した。

 「国際化」とは、モノの輸出と観光客の誘致がメインである。この地域にはエネルギー会社の油田開発に使われるモノを作るメーカーがある。が、周辺に独自の技術をもった中小企業が集まっているわけではない。農業や漁業、あるいはセラミックの小さな工房。観光は重要な産業である。しかし、シーズンの5月から10月まで以外の期間をどう過ごすか?との課題がある。

 地域の空港は現在使われておらず、一番近い空港はカリアリで150キロ離れている。定期運行バスもないに等しいので、クルマを利用するしかない。レンタカーでなければハイヤーだ。片道2万5千円に近い。たどり着くのはなかなか難儀だ。

 しかし自然は申し分なく素晴らしい。カリアリからクルマで北上しながら、その静けさにアイルランドの西側へ旅した時のことを思い出した。

島特有の、と言えば良いのだろうか。ざわざわとしていない。季節もあるが…

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