インドネシアで2014年1月から、世界最大規模の公的社会保険制度が動き出す。公共福祉担当の政府関係者によると、同国政府は1月1日に全国で社会保険などを運営する新組織「社会保障機関」(BPJS)を立ち上げる。国民の約70%に当たる1億7284万人の加入者に対し、無料での医療提供などを目指すが、制度開始に向けて懐疑的な声も上がっている。現地紙ジャカルタ・グローブなどが報じた。
BPJSは、低所得層向けの全国的な保険制度「ジャムケスマス」(加入者8640万人)、地方の低所得層向けの保険制度「ジャムケスダ」(同4559万人)、公務員向けの保険制度「アスケス」(同1655万人)など、これまで独立していた保険制度を統合する。制度を支える医療施設・設備といったハード面は、15年7月頃までの完成を目指す。
同国政府はBPJSを母体に今後も保険加入者を増やし、19年1月からは全国民を対象とする皆保険制度の実現を目指す方向だ。