ここに来て米国経済の回復に陰りが見え始めました。一方で、中国経済に対する資本市場の期待が高まっています。11月に行なわれる「三中全会」の内容次第では、世界経済の牽引役が中国にかわるかもしれません。
世界が注目していた米国雇用統計(9月分)は、想定外の減速を見せ、多くの投資家が失望しました。しかし、低迷が続いていた中国経済が回復しつつあり、米国に代わって中国が世界経済の牽引役にという期待が資本市場に生まれつつあります。
実際、多くの国内主要企業の7-9月期決算では、中国需要の回復が後押ししました。また、11月に中国で「三中全会」が開かれることで、中国政府が持続可能な経済成長を行なうための新しい策を講じ、経済が再び活況を取り戻すと期待されています。この連載が読者の目に触れるころには概要がわかっているはずです。
中国では5年に1度、共産党大会が開催され、国の政策を決める中央委員会が選出されます。昨年末、習近平氏を代表とする中央委員会が発足しました。第三回の中央委員会全体会議を略して、三中全会といいます。