【2014年のマネー大予測】
「アベノミクスでは日本経済を本質的に立ち直らせることはできない」と語るエコノミストの浜矩子さん。来年の経済についても、「安倍政権が今のやり方を続ける限り、今年以上に厳しくなる。円相場も混乱するのではないか?」と予想する。
大胆な異次元緩和でも動きださない投資と雇用
昨年11月の衆議院解散以来、まもなく1年が経過しようとしている。解散直後から始まった円安・株高は、当初こそ飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、わずか半年後の5月に早くも失速。その後の日経平均株価は高値を更新する勢いがなくなり、円も1ドル=100円をなかなか突破できない状況が続いている。鳴り物入りで動きだしたアベノミクスであったが、「意外と大したことないな」というのが正直な感想だ。
もともと私は、アベノミクスのように対症療法的な経済対策では、体全体が弱り果てている日本経済を根本からよみがえらせることは不可能だと考えてきた。日本は15年以上もの間“デフレ不況”という重い病に伏してきた寝たきり患者である。小手先の投薬や施術で十分であるはずがない。