【グラフとデータでひと目でわかるニッポン経済学】
官僚たちが増税するために虚報を流し続けている。「消費税率10%でも財政再建できない」「増税で税収が増え、デフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」というものだが、これら3点のどれもが根拠薄弱な空論であることを解き明かそう。安倍首相は官僚の詐術を排したうえで消費税増税を最終決定すべきだ。
安倍首相の指示のもとに甘利経済財政・再生相は8月末、消費税増税について有識者60人に意見を求めた。だが、安倍首相らが真剣に問いかけるべき相手は政府内部にいる。増税のために虚報を流し続ける官僚たちだ。虚報とは、「消費税率10%でも財政再建できない」「増税で税収が増え、デフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」という3点に尽きる。
まず、1つ目の「消費税率10%でも財政再建できない」について。最新例は内閣府がまとめた「中長期の経済財政に関する試算」である。単なる“試みの計算?書ではない。この書には、1年前に国会で成立した消費税増税法案通りの引き上げはもとより、さらにいっそうの増税を合理化する狙いが込められている。