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暗黒未来「香港がチベットに」 映画「十年」ヒット 中国メディアは酷評 (2/3ページ)

2016.3.28 00:00

オムニバス映画「十年」でメガホンを取った監督ら。左端が周冠威氏、右端が伍嘉良氏=3日、香港・中環(ロイター)

オムニバス映画「十年」でメガホンを取った監督ら。左端が周冠威氏、右端が伍嘉良氏=3日、香港・中環(ロイター)【拡大】

  • SANKEI_EXPRESS__2016(平成28)年3月28日付EX(1面)

 焼身抗議する女性の話「自焚者」の監督、周冠威氏(36)は米CNNに「観客にショックを与え、現状を変えるための行動を促すのが狙いだ」と話した。焼身抗議は中国当局の支配に抗議するチベット族の間で広がった手法だが、周氏は「早急な変化がない限り、香港市民もチベットと同じような悲惨な状況に直面する」と懸念。「香港市民はもっと民主化に貢献し、もっと犠牲を払わなければならない」と主張している。

 「表現の自由残っている」

 「十年」は今月4~13日に開催された第11回大阪アジアン映画祭でも特集企画作品として上映され、大きな反響を呼んだ。その際に来日した、食料品店主の話「本地蛋」の監督、伍嘉良氏(34)は「こうなってはほしくないと思いながらも、作品として残して訴えたかった」と話した。

 中国共産党系の国際情報紙「環球時報」は社説で「十年」を「ばかげた悲観的な映画で、思考のウイルス」だと酷評した。また、当初、香港電影金像奨の授賞式のネット中継を中国全土で行うとしていた中国のインターネットサービス大手「騰訊控股(テンセント)」は、中継取りやめを発表した。「十年」が最優秀作品賞の候補となったためとみられている。

「表現の自由がまだ残っていることに感謝しなくてはいけない」

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