ただ、これらの社説は、「慰安婦問題」をめぐる偏見や事実誤認に基づく情報を含んでいた。
まず、「慰安婦」をめぐる表現だ。
先のニューヨーク・タイムズの社説は、慰安婦を見出しも含めて始終「sex slaves(性奴隷)」としていた。
慰安婦が兵士の30倍の給金で募集されていたことなどを踏まえれば、「性奴隷」という用語は実態を反映していない。日本政府は国連の会合で、この表現は「不適切」だと訴えている。
しかし、ガーディアン(電子版、12月28日)の大阪発の記事も、日韓が「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したのは、「数万人のコリアン女性を戦時性奴隷として使った問題」だと伝えた。これでは、日本政府が「慰安婦は性奴隷だった」と認めているとの誤解を招く。