《「島嶼防衛」「米艦防護」…日米協力さらに拡充》
集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法制が成立することで、外交・安全保障分野での協力が拡充され、日米同盟はさらに強固となる。4月に再改定した「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」で明記した平時から利用可能な「同盟調整メカニズム」の設置や、日本の島嶼(とうしょ)防衛で米軍と自衛隊による共同対処などがよりスムーズに進むことが期待される。
防衛省幹部は「限定的とはいえ、『集団的自衛権』の6文字が可能になったことを米政府は歓迎している」と指摘する。
その背景には、米側は「日本を守るために活動している米軍が他国から攻撃を受けても、日本は米軍を援護することもしない」(米外交筋)という従来の法制度に不満があったからだ。
有事の際に存立危機事態が認定されれば、これまで不可能だった米艦防護やミサイル防衛などが可能になる。日米安保条約で“片務的”とされる防衛義務の関係が是正に向かい、米軍と自衛隊の信頼関係はより強固になる。