出るべきか、出ざるべきか。8日告示の自民党総裁選が、安倍晋三首相(党総裁)の無投票再選になるか注目が集まっている。すでに党内全7派閥と若手議員の大半が首相支持に回り、首相の続投は揺るぎない情勢だ。ただ、野田聖子前総務会長は次々回の総裁選まで見据え、なお出馬の可能性を探る。「安保法案の審議に悪影響だ」「いや党の多様性を示してこその自民党だ」-。党内ではさまざまな声が渦巻くが、理はどこにあるのか。
総裁選は「安保つぶし」?
「このタイミングで総裁選になったら、安保法案は継続審議か廃案になりかねない。今は一糸乱れず固まろう」
3日夜、赤坂の日本料理店で開かれた党内7派閥の事務総長会議ではこんな言葉が飛び交った。
集団的自衛権行使を限定的に可能とする安全保障関連法案の成立は、安倍政権の最重要課題。官邸は当初、法案を8月のお盆前に成立させて通常国会を閉幕し、9月の総裁選を静かに迎えたいと考えた。ただ衆院審議の難航などで、法案は今も参院で審議中。会期も9月27日まで大幅延長を余儀なくされ、総裁選の日程と重ならざるを得なくなった。