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【新国立競技場】「白紙」 「世論持たない」 支持率低下も一因 (3/4ページ)

2015.7.18 07:00

記者団に囲まれ、新国立競技場の建設計画を「白紙に戻す」と表明する安倍晋三(しんぞう)首相(中央)=2015年7月17日、首相官邸(ロイター)

記者団に囲まれ、新国立競技場の建設計画を「白紙に戻す」と表明する安倍晋三(しんぞう)首相(中央)=2015年7月17日、首相官邸(ロイター)【拡大】

  • 官邸に入る五輪組織委会長の森喜朗(よしろう)元首相=2015年7月17日、首相官邸(酒巻俊介撮影)

 また、19年のプレ五輪やラグビーW杯を新国立競技場で開催するという国際公約もあった。国は都に新国立競技場の建設費として500億円の負担を求めている。首相周辺は「W杯の決勝戦を横浜市など他のスタジアムで開くとなれば東京都が態度を硬化させ、建設費の負担を渋る可能性がある」との懸念も抱いていた。

 最大の問題は、五輪本番に間に合うのか、計画見直しでどこまで総工費を削減できるかということだった。

 安倍首相も実際、直前まで現行計画を白紙に戻すべきかどうか、悩んでいたようだ。首相は9日夜、次世代の党の松沢成文(しげふみ)幹事長らとの会食で、計画見直しを求める松沢氏に「下村文科相は『絶対大丈夫』と言っている」と見えを切っていた。松沢氏が「見直さないと世論が持たなくなる」と指摘すると、首相は苦り切った表情を浮かべるばかりだったという。

 文科省は、ハディド氏側にデザイン監修料の一部として14年度までに13億円を支払い済みで、契約解除時に違約金を支払う条項は設けていないとしている。ただ、「名誉を傷つけられたなどとして損害賠償を請求される可能性はある」と政府関係者は説明する。菅義偉官房長官は記者会見で、賠償などに「適切に対応する」と述べており、新たな無駄な支出が生じ、さらなる批判を招く懸念もあった。

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