≪スポーツ界も異論 「本望ではない」≫
新国立競技場の建設問題が14日の参院内閣、文教科学両委員会の連合審査会で審議され、総工費が2520億円にも膨張した経緯などに批判が集中した。政府側は計画の見直しは困難と繰り返したが説明には疑問が残り、スポーツ界や与党からも異論が相次ぎ、混乱は広がる一方だ。
薄かった危機感
「デザインを全く新しいものに変えると完成まで61カ月かかる。今月から起算すると20年7月末まで。これでは(同年7月開幕の)東京五輪にも間に合わなくなるリスクがある」。下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相は審議で、2本の巨大なアーチ構造が特徴の現在の計画を大幅に変更することはできないと説明した。
野党からは、総工費1625億円を示した昨年5月の基本設計段階から約900億円も膨らんだことについて、文科相の責任を問う声も出た。文科相はゼネコンとの工事費の積算作業が始まったのは昨年12月だと明らかにし「私が大幅に工事費がアップする可能性について報告を受けたのは今年4月」と弁明した。