競技場などの施設にスポンサーや商品の名前を付ける命名権が国内に導入されてから十数年がたち、その市場は過渡期を迎えている。東京都調布市の「味の素スタジアム」といった成功例はあるが、広告効果が薄いという理由で契約更新を見送られたり、名称変更が相次いだりするケースも少なくない。
「ころころ変えるな」
大相撲の春場所やボクシングの世界戦が行われる「大阪府立体育会館」は4月に条例上の名称に戻った。命名権を持っていたスポーツ用品会社「BB-SPORTS」(大阪府吹田市)が「金額(年間2500万円)に対する効果がない」として更新しなかったからだ。「ボディメーカーコロシアム」の名で呼ばれることはもうない。
府は公募に動いたが、応募したのは家電量販店大手「エディオン」(大阪市北区)だけ。年間2100万円の3年契約で、9月に「エディオンアリーナ大阪」に変わる。