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【野口裕之の軍事情勢】安保関連法成立は、中国の尖閣占領によるオメザの後? (4/5ページ)

2015.7.13 06:00

自民党の勉強会で挨拶する百田尚樹氏(右)。この時の発言は、安全保障に関する日本の戦後法制史の情けなさを端的に物語った=2015年6月25日、東京都千代田区永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)

自民党の勉強会で挨拶する百田尚樹氏(右)。この時の発言は、安全保障に関する日本の戦後法制史の情けなさを端的に物語った=2015年6月25日、東京都千代田区永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)【拡大】

 イラク戦争後の復興に向け、人道支援特措法も03年7月に成ったが、日本防衛を担保する有事法制定はそのわずか1.5カ月前。何とも珍妙な風景ではないか。前述した北朝鮮の核開発疑惑が日米軍事協力を具体化させ、1998~99年の北朝鮮による蛮行が有事法論議加速の契機とはなったが、基本的に法律誕生は対海外系優先で純粋な祖国防衛系は後手。国際情勢の変化に大慌てし、対海外系の法律急造にエネルギーを割かれ国防に手が回らなかった側面も認められるが、エネルギー消費量の割に最低限の国際関与で逃げまくってもおり《消極的平和主義》の無残な軌跡であるといえよう。

 国民の側も理解努力を

 今次安保関連法案はやや様子を異にする。中朝の脅威に突き動かされた力学は働いたものの、力に陰りが観える米国の動きを先取り、同盟・友好国との連携を自発的に決心した。内容も、国際常識の背中すら見えない立ち位置を、視認可能な場所まで進め、集団的自衛権のほんの一部を憲法の範囲内で行使する《集団的自衛権モドキ法案》に仕上がった。ハードルは高いが冷戦中同様、付加価値派生の確率もゼロではない。例えば-

年金問題同様内容を吟味し、雑音を遮断し

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