抗日拠点に戻るのか
一方で国交断絶以降、多言語国家シンガポールは中国語の使用を拡充し、中国・蘇州に大規模工業団地を建設するなど対中貿易・投資促進を加速。ASEAN(東南アジア諸国連合)と中国の協議枠を創る橋渡しまで買って出た。
シンガポールは、というより中台交渉の仲介さえするクアンユー氏は、中台バランスもテコに国際での地位を高めてきたやに見える。が、シンガポールの正体はもともと親中で、台湾は中国に自らを高く売り込む駒だったのではないか。確かに、シンガポールの姿勢は、経済的魅力に取り憑かれた日本や欧米諸国が中国に群がる光景と大差ない。しかし、的確な国際情勢判断をするクアンユー氏は生前、不気味な予告をした。
「台湾は中国の核心的利益でも、米国にとっては違う。中国は戦争を起こし負けても、勝つまで戦い続ける/中国は西太平洋覇権で最終的に(対米日)優位に立つ/中台統一は時間の問題に過ぎぬ」