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【野口裕之の軍事情勢】中国の代弁者に堕ちたシンガポール (2/6ページ)

2015.6.15 06:00

アジア安全保障会議で基調演説するシンガポールのリー・シェンロン首相。龍ににらまれたカエルのごとく中国を弁護し、見苦しかった=2015年5月29日、シンガポール(AP)

アジア安全保障会議で基調演説するシンガポールのリー・シェンロン首相。龍ににらまれたカエルのごとく中国を弁護し、見苦しかった=2015年5月29日、シンガポール(AP)【拡大】

 アジア安保会議での醜態

 シェンロン氏の基調演説は酷かった。南シナ海の8平方キロという途方もない面積を埋め立て軍事基地を建設する中国を擁護。ベトナムやフィリピンの資源探査・開発を念頭に、他国も採掘・埋め立てをして軍事プレゼンスを強めていると訴えた。中国の埋め立て規模や狙いに目をつぶる“知恵”を働かせたつもりの演説は、無理筋の分惨めだった。米国と海洋権益を折半せんとする中国提唱の「新型大国関係」にも、太平洋は2大国を受けいれる十分な広さを持つ-と主張する中国に賛同。返す刀で、対日非難を、中国の常套表現で“再生”してみせた。

 「過去の過ちを認め、日本国民は右翼の学者・政治家の非常識な歴史歪曲をはっきりと拒否すべきだ」

 反日の素地は感じていた。シェンロン氏は●(=鯖の魚が立)國神社を首相として参拝した小泉純一郎氏(73)に対し「日本が占領した国に悪い記憶を思い起こさせる/戦犯をあがめる対象にすべきではない」と、既に説教を垂れていた。父のリー・クアンユー初代首相(李光耀/1923~2015年)も他の多くのアジア指導者とは違い、大日本帝國による植民地解放の側面を評価しなかった。クアンユー氏が2008年に披露した歪んだ中国観も、経済発展には政治的安定が必要だとして、国民の政治参加を激しく制限する開発独裁国の指導者を地で行った。

南京軍区と合同演習

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