≪国際金融秩序で中国と日米が衝突≫
高い経済成長が見込めるアジア太平洋の覇権争いが激化してきた。自らが主導するAIIBを引っ提げ、米首都ワシントンに乗り込んだ中国は、G20で存在感を示した。攻勢をかける中国に、国際金融分野の既得権益を奪われかねない日米は焦りを隠せない。
「余裕」の誘い水
「アジアかどうかに関係なく、どこの国でも歓迎する」。17日午後、G20閉幕後のワシントンでの講演で、中国の朱光耀財政次官が声を張り上げた。朱氏はAIIBの門戸の広さや公正な意思決定の徹底を冗舌に説明し創設メンバーに加わらなかった日米にも誘い水を向けた。
中国が狙うのは世界銀行、IMF、アジア開発銀行(ADB)を柱とする国際金融秩序の刷新だ。中国は第2位の経済大国にのし上がったが、国際金融の主導権は依然、日米欧が握っている。