ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は17日、共同声明を採択して閉幕した。世界経済の成長が力強さに欠け、為替変動や長期化する低インフレなどのリスクが山積していると指摘し各国に成長力強化を要請。9月の次回会合までに各国が投資戦略を策定することで合意した。
IMF改革停滞に失望
今回のG20は、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーが固まってから初めての国際会議。中国はAIIB設立の意義を説明し新興国の支持を集めて存在感を示した。新興国の発言力を高める国際通貨基金(IMF)改革は米議会が反対しており、G20は今回も有効な打開策を示せなかった。失望する新興国を中心にAIIB支持がさらに広がりそうだ。
声明は世界経済の現状について「成長は緩やかなままで、一様でない道筋をたどっている」と分析。日本と欧州経済の改善は歓迎したが、新興国の成長には「依然ばらつきがある」と懸念を示した。回復を支えるため「多くの先進国で緩和的な金融政策が必要」と強調。ただ「負の波及効果を最小化するため、注意深く調整されるべきだ」とも明記し、利上げ時期が近づく米国を念頭に、金融政策の変更が新興国経済に影響を及ぼさないよう配慮を求めた。(共同/SANKEI EXPRESS)