オバマ氏「功績づくり」
両国の秘密交渉は約1年半前に始まり、オバマ氏が「キューバとのハイレベルの接触」にゴーサインを出したのは昨年春だった。さらにキューバと国交があるカナダが場所を提供、オタワとトロントを舞台に7回前後の交渉があった。
南米アルゼンチン出身で人権問題に熱心なローマ法王も仲介の労を執った。オバマ氏は今年3月、バチカンで行った法王との初会談の大半をキューバ問題に費やしたとされる。法王はその後、オバマ氏とカストロ氏に書簡を出し、それぞれが拘束する情報機関員らの釈放を要請。10月に双方の代表団を集めてバチカンで行われた詰めの交渉で双方は歩み寄った。
任期があと2年となり歴史に残る「功績づくり」を焦るオバマ氏と、経済制裁の解除を強く望むキューバ側の思惑が一致、さらに法王の仲介で背中を押され、歴史の歯車が回った。(SANKEI EXPRESS)