ヤップ州は、ミクロネシア連邦(米信託統治領)の西端に位置し、ヤップ島をはじめ4島と約130の環礁からなる。ヤップダンスや、スターライトナビゲーション(星を利用した航海術)を学ぶ伝統カヌー学校、巨大な石貨、村ごとのカースト制度など、いまだにヤップ独自の伝統文化を色濃く残す、そして、手つかずの自然あふれる豊かな場所だ。
私は、毎年のようにヤップ州のマープ島にあるワチュラブ村という人口30人程度の小さな村に、家族を連れて訪れていた。長男の海友(かいと)は、1歳の頃から、そして、二男の颯友(はやと)は生後3カ月から。
島での彼らの生活は、とにかく自然の中で素っ裸になって遊びまくることだった。
陸では、放し飼いの犬や猫と戯れたり、ヤドカリを捕まえたり。ヤシの実を食べて、木登りをしたり、パチンコを作ったり、火をおこしてもらい、バーベキューをしたり。ヌーヌーと呼ばれる花輪や、ヤシの葉でバッグを作ったり。ジャングルを探検したり。ナタを振るって、道なき道を切り開いたこともあった。そして、町に出かけるときには、トラックの荷台に乗って移動した。