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【Message from the Ocean】インド・アンダマン諸島 優雅な「名優」に会いたくて (1/3ページ)

2014.10.13 18:00

映画にも登場した63歳のゾウ、ラジャン。元々は林業に従事して、木材運搬の労を担っていたという=2010年3月25日、インド・アンダマン諸島のハブロック島(越智隆治さん撮影)

映画にも登場した63歳のゾウ、ラジャン。元々は林業に従事して、木材運搬の労を担っていたという=2010年3月25日、インド・アンダマン諸島のハブロック島(越智隆治さん撮影)【拡大】

  • 海を泳ぐゾウ、ラジャンの住むハブロック島の近くにある活火山のバレン島=2010年3月27日、インド・アンダマン諸島(越智隆治さん撮影)
  • 海を泳ぐゾウ、63歳のラジャン。海を泳ぐことのできるゾウはこのラジャン1頭=2010年3月25日、インド・アンダマン諸島のハブロック島(越智隆治さん撮影)
  • 海を泳ぐゾウ、ラジャンは素晴らしい被写体になる=2010年3月25日、インド・アンダマン諸島のハブロック島(越智隆治さん撮影)
  • ラジャンの泳ぐアンダマン海では、色鮮やかな魚の群れにも遭遇できる=2010年3月26日、インド・アンダマン諸島のハブロック島(越智隆治さん撮影)
  • インド・アンダマン・ニコバル諸島のハブロック島
  • フリーの海洋フォトジャーナリスト、越智隆治(おち・たかじ)さん(本人提供)

 まるで映画の中の幻想的な一場面にでも迷い込んでしまったかのような情景が眼前の海中に広がっていた。インドゾウが海の中を泳いでいる。スローモーション映像でも見ているかのように、ゆっくりと、しかし確実に4本の足で水をかいて。顔は頭の先まで全て海中に没し、時折鼻先だけを海面に出して呼吸をしている。傍らには、常に寄り添うように、ゾウ使いのインド人が泳いで指示を出したり、ときには、海中でバランスを崩しそうになるゾウの牙の上に乗っかって、バランスを取ったりしている情景が滑稽さを誘っていた。

 「The Fall」(邦題「落下の王国」、ベルリン国際映画祭最優秀長編映画青少年映画部門受賞)という映画をご存じだろうか。ストーリーよりも映像美が評価されたこの映画のワンシーンに、このゾウが登場する。この映画が上映された後、僕はこのゾウに会いたくて、インドの東に位置するアンダマン諸島を訪れた。

 ≪63歳ラジャンさん、海の中で悠々と≫

 アンダマン諸島は、インド洋のベンガル湾南部に位置する、インドの連邦直轄領。北緯10度線の北側が大小302の島々からなるアンダマン諸島、南側が19の島々からなるニコバル諸島。インド政府が国防上の理由から外国人の立ち入りを制限している。中心地はポートブレアだ。

ゆっくりと海中を泳ぐラジャンさん

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