【BOOKWARE】
この3冊には、原爆を投下したアメリカの計画的実情、ケネディ暗殺とキューバ危機の虚々実々の駆け引き、ベトナム戦争の過誤と失政、ウォール街に渦巻く金融的野望、9・11を自ら招いた中東作戦と凋落など、輝かしく見えたアメリカ帝国の陰影と暗部が大胆な推理で彫りこまれている。著者は映画監督のオリバー・ストーンと歴史学者のピーター・カズニックだ。
オリバー・ストーンはイエール大学を中退してベトナムで英語教師になっていた。1967年からベトナム戦争で空挺部隊に所属、除隊後は念願のマーティン・スコセッシに師事すると、シナリオライターとして仕事を始め、『ミッドナイト・エクスプレス』でアカデミー脚本賞を得た。いまは仏教徒である。
評判になった『プラトーン』『7月4日に生まれて』でアカデミー監督賞を2度受賞してからは、一転、『JFK』『ニクソン』『ブッシュ』などの大統領陰謀ものを手掛け、その勢いのまま大作ドキュメンタリーテレビシリーズ『もうひとつのアメリカ史』に取り組んで、内外の大きな反響を呼んだ。