「21世紀の社会主義」実現を掲げる南米べネズエラで、豊富な石油収入があるにもかかわらず食料品などのモノ不足が深刻化している。価格統制している廉価な商品を隣国コロンビアで密売する例が多発しているのに加え、低迷する支持率を上げようと、ニコラス・マドゥロ大統領(52)が「メリークリスマス作戦」と名付けて玩具や洋服の値下げを商店に指示したことで店頭から商品が一気に姿を消したためだ。市民の間にはモノ不足への不満が急速に拡大しており、マドゥロ政権は政府系商店のレジに、顧客が転売目的で“二度買い”するのを防ぐための指紋判定器を設置するなど、対応策に躍起となっている。
商品10%が隣国で密売
品不足が目立つのは牛乳やコメ、コーヒー豆、トウモロコシの粉といった価格統制品。地元調査会社によれば、市民は通常の30%程度しか購入できない状況にある。