真冬のお正月に開催される東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)のランナーは、待機中は保温のコートを着ていますが、走るときにはタンクトップに短パンです。全力疾走を継続している彼らの体内には、大量の熱が発生していて寒くないわけです。
私たちも、彼らをほんの少し見習うとよいと思っています。男性が女性より冷え性が少ないのは、筋肉量が多いため発熱量が大きいからともいわれています。外に出て軽い運動をおこなうことは、筋肉を発熱させて熱源を体内に作りつつ、改善した血流で体の隅々まで運ぶという合理的なものです。
体を動かすことは、体温調節を一定に保つ自律神経を鍛えます。古式ゆかしい「寒空の下で手足を動かして乾布摩擦(かんぷまさつ)」というのは、免疫をつかさどる皮膚のランゲルハンス細胞を賦活(ふかつ)するという意味でも、合理的なのかもしれません。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)