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医療の限界と尊厳死 大和田潔 (1/2ページ)

2014.11.10 08:00

秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)

秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)【拡大】

 【青信号で今週も】

 「“11月1日に死にます”尊厳死を予告…脳腫瘍の米女性、揺れる思い “いずれ、そのときは来る”」と、尊厳死を選んだ米西部オレゴン州のブリタニー・メイナードさんのことが産経ニュースで報道されました(2014年11月1日)。彼女は、自分の言葉で自分の意思と考え方を動画サイトに投稿していました。それを見た人々の心には、いろいろな波紋が広がっていました。その後、実際に11月2日に安楽死がもたらされたことが報じられました。

 脳裏に浮かんだのは、生きたくても生きられなかった方、辛くも命が救われた方、彼女と同じことをおっしゃっていた方や、残された家族の人々のさまざまな言葉や表情でした。厚生労働省の仕事でお会いしたことがある徳永進先生から、「野のはな通信」がクリニックに時折とどきます。医療機関でありながらさまざまな人々の終(つい)の家といった風情の診療所の様子が、先生や職員の方の絶妙な筆致で伝えられます。私はひとり、診療後にしみじみと読みふけっています。

 ジャーナリストの立花隆さんが「死は怖くない」と語っています(週刊文春2014年11月6、13日号)。この中で、彼は安楽死を決して否定していませんでした。もし激しい苦痛が継続する死に至る病(やまい)にかかり、それを解決する方法を人類が手にしていないのなら、死を選択するのも一つの解決方法だろうと。

絶え間なく襲ってくる死まで続くだろう痛み

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