脳腫瘍で余命半年と診断された29歳の女性が尊厳死を選択し衝撃が広がっている米国で、同じように脳腫瘍で余命わずかと宣告された19歳の女子学生の活動が感動を呼んでいる。オハイオ州のマウント・セント・ジョセフ大学1年でバスケットボール部員のローレン・ヒルさんは2日に全米大学リーグの公式戦出場を果たし、2本のシュートを決めた。自らと同じ小児がんの一種である難病の脳腫瘍に苦しむ子供たちを勇気づけようと、治療法などを研究する財団の設立を目指す活動も開始。「ネバー・ギブ・アップ(決して諦めない)」とのスローガンを掲げ、難病との闘いに挑んでいる。
特例で開幕前倒し
「これが私の最後の試合だなんて言うのはやめましょうよ。私にとってこれが大学での最初の試合なんだから。いまが人生で最高よ」
試合後、チームメートに囲まれたヒルさんは、笑顔で夢がかなった喜びを語った。
ヒルさんは大学入学直後の昨年11月20日に、脳腫瘍の一種である「びまん性中心性橋部神経膠腫(DIPG)」と診断された。腫瘍は手術が困難な場所にあり、余命2年と宣告された。普通は5~10歳の子供が発病する小児がんで、極めて悪性が高い難病だ。