米国で、脳腫瘍により余命半年と診断され、「尊厳死」が合法化されているオレゴン州に転居したブリタニー・メイナードさん(29)が、インターネットで予告した通りの1日に医師から処方された薬を服用し死亡した。米メディアが2日、一斉に報じた。彼女はフェイスブックに「愛する家族、友だちよさようなら」などとつづった。生前は「死にたくない」と葛藤も吐露していた。尊厳死を支持する民間団体によると、最期は自宅寝室で夫ら愛する人たちの腕の中で穏やかに亡くなったという。「死ぬ権利」をめぐり彼女が投じた一石は、世界中に大きな波紋を広げている。
「世界は美しい」
「この恐ろしい末期の脳腫瘍は私から多くの物を奪いました。このままではさらに多くのものが奪われたでしょう」
メイナードさんはフェイスブックに最終的な選択の理由をこう記した。そして、「世界は美しいところ。旅はいつも私の最良の教師だった」と、思い出をつづった。教育の修士号を持ち、ネパールの孤児院で勉強を教えるなど、世界中を精力的に旅していたという。