脳腫瘍で余命を宣告された実母の5年に及ぶ闘病生活をベースに、小説家の早見和真(はやみ・かずまさ、36)が壊れかけた家族の葛藤と再生をつづった「ぼくたちの家族」が、石井裕也(ゆうや)監督(30)の手により同名のタイトルで映画化された。母親を演じた原田美枝子(55)は「作品を見れば、両親からもらった命や、当たり前のように存在する家族の意味をきっと真剣に考えるようになりますよ」と力を込めた。
物忘れがひどくなり、主婦の玲子(原田)は病院で検査を受けたところ、手の施しようのない脳腫瘍と診断され、医師からは「余命7日」と宣告された。想定外の出来事に夫、克明(長塚京三)と会社員の長男、浩介(妻夫木聡(つまぶき・さとし))は平静を失ったが、普段はちゃらんぽらんな大学生の次男、俊平(池松壮亮(そうすけ))が家族に訪れた危機を冷静に受け止め、解決に向けて思いもよらない力を発揮する。