≪国連安保理、非難決議を採択≫
国連安全保障理事会は7月21日、298人が死亡したウクライナ東部のマレーシア航空機撃墜を非難し、現地を実効支配する親ロシア派組織に現場保存を要求、関係国に原因調査への協力を求める決議案を全会一致で採択した。理事各国からはロシアに対し親露派組織への影響力行使を求める声が相次いだ。
犠牲者の遺体を乗せた列車は22日、親露派組織の実効支配地域から東部ハリコフに到着した。遺体は身元確認作業で調整役を務めるオランダに搬送される見通し。今後は真相究明に焦点が移るが、墜落現場は保存されておらず、調査は難航が予想される。
親露派組織は22日、マレーシア機の飛行データなどを記録したブラックボックスをマレーシア側に引き渡した。証拠隠滅への懸念が高まる中、国際社会の圧力をかわそうと協力姿勢に転じたとみられる。決議は、非常任理事国で少なくとも27人の犠牲者が出たオーストラリアが起草。ロシアと中国を除く全理事国と、犠牲者を出した全ての国が共同提案。安保理は拘束力の強い決議で強力な国際社会の意思を示した。